寒くなってきた
好きな季節の到来 冬生まれだからというベタな理由でもこの空気がいとおしいと思う
つめたさは痛みと少し似ていて 熱を感じることができる
この間 とんぼが何度も私の右足に止まっては
こちらに向かってたくさん話しかけてきた
目を見て話しかけてもらえたのは初めてだったな
次の日彼らの姿は空から消えた
水は感情の記憶体であるからここに流れている
沈んでいくものと浮かぶもの
感じ切る 痛みもゆらぎもあたたかさもすべて
こんなにもうつくしいものがあるってことに
花が咲く瞬間を知っているひとに出逢えたことに
わたしはこころで叫びたい
思いは速くて そして巡り巡って伝わることを知っているから
わたしはいのちを感じていたい
このからだで生きていたい
たくさんのことを伝えたい
会えてうれしいから漂いたい
うしろを一歩ずつ 歩きたい