彼は誰

本当はすでに軽いのに、重く居ようとする
なぜなら不安は安心だから
どこまでも自由であることを知るのがこわいから

18/3/2023 


全部脱げる
最後に遺る
言葉がない
そのまま
行く

7/3/2023 




2月12日より、神奈川県真鶴町にある「cüe(キュー)」で展示が始まりました。
今回は「映像作品展」とうたっていて、 2016年から2021年頃までに制作してきた作品の映像部分を展示しています。



cüeは友人の渡辺純子さんが2022年11月にオープンしたお店です。
どんな場所かというと、物事の四隅を感じないお店だと思います。
彼女とはミュンスターに居た時に出逢い、そこからずっと日常を共に過ごしているような感覚のあるひとです。
そんな彼女が作った場所で、ぽんっと空いた穴に吸いこまれたように今回の展示は生じました。
だからこの展示の出来上がり方も、緩やかに、けれどちゃんと在る(在り続けている)
そういう感触をもってここまで流れてきています。
そのことに私は支えられていて、「双方向の先端を同時に絞る」ということを体現しているようだと感じるのです。
どういうことか? つまり、全くの日常のことです。


純子ちゃんの立つ場所に町のひとがやって来る。わたしはそこに掛かっている、彼女の集めた絵のひとつ、みたいなところにいて
それがとても心地よいです。
それは彼女の可能性のことであり、cüeというスポットへの信頼であり、
自分の中の変化でもあるのだとわかりました。
(「読む人のことは全く考えていなかった」と言って書いてくれたフライヤーの文章がかっこいいです)


2日間をcüeで過ごしていましたが、皆自分自身をすっとあずけて見ているのを見かけました。
それによって振り返るものがあったし、今いる地点について想う瞬間があったのですが
足を止めて見入ってくれるこの時間がただ良いなと思いました。
日常がそれぞれにあって、或る場所で交差する。そうするとほかの柱が建ち、別の場所の木に陽が差す。
事情は皆抱えているけれど、此処にいて目の前にある。
それだけのことなんだ、と思いました。


「ここにいて良いと言う火」という題が、気に入っています。写真も赤色も気に入っています。
よかったら遊びにいってみてください。

18/2/2023 ここにいて良いという火

20/1/2023 

   

5/1/2023